公正証書遺言でも安心しきってしまうのは危険です

 


公正証書だからといって安心しきってしまうのは危険です…
多くの方は公正証書遺言作成を選択されていますが、公正証書だからといって安心しきってしまうのは危険でございます。
なぜでしょうか…?

公正証書遺言は公証人の認証を受けて作成することから自筆証書遺言と異なり、作成要件を満たしていない、ということはほとんどございません。
しかしながら…、作成要件を満たしていても、検討すべき事項が検討されていない遺言書ですと、公正証書遺言でも安心はできません

例えば、
・一部の財産についてだけ言及した遺言書です
(主要な不動産以外の財産を無視した遺言書は、預貯金の扱いが争いの火種になる可能性がございます。)

・子のいない夫婦がお互いに財産をわたすように充てた遺言書です
(夫婦のどちらか先にお亡くなりになった場合、残された側の書いた遺言書は実質的に意味をなさなくなります。
結果的に後々遺言書を書いていない場合と同じ法定相続が起こります。)

・不動産は長男、預貯金は次男に相続させるとした遺言書です
(不動産ばかりをもらう長男は、現金一括払いが原則の相続税をどうやって支払うのか不安が残ります…。)

などは、実は公正証書でも作成できてしまいます。
これらの遺言書は重要な事項の検討が漏れていて、残されたご家族に大きな問題を生む可能性があっても…、「法的に無効というわけではない」ためでございます。

公正証書遺言でも、検討されていない事項があると、安心できないことがご理解いただけたかと思います。
せっかく作成した遺言書でも、争いが起きてしまっては残されたご家族に申し訳ないですよね…。
公正証書での遺言作成をお考えの方も、遺言書の起案は是非専門家に一度相談されることをお勧めします。