配偶者の連れ子様も遺言書に盛り込みましょう


こんにちは。
行政書士 葛飾江戸川総合法務事務所のアテンドキャラクタ―の細谷叶恵です。
こちらでは配偶者の連れ子様も遺言書に盛り込みましょう、ということをお伝えしていきます。

配偶者の連れ子様には相続権がないです
いきなり結論も申し上げてしまいますが…、配偶者の連れ子様には相続権がありません
このことをあなたはご存知でしょうか…?

恐らく、ご存知でない方がほとんどだと思います。
そして、これが相続時に争いを起こす火種にもなります…。


わかりやすく例を2つ紹介します
例1です
例えば、A男さんとB女さんが結婚しました。
A男さんは初婚でしたが、B女さんは再婚で、既にC太郎とD花子という連れ子がいました。
月日が経ち…、A男さんが亡くなります。
このとき、遺言書がなかったら…、相続権を得るのは、B女さんとA男さんのご両親です。
B女さんの連れ子のC太郎とD花子はA男さんの嫡出子でも非嫡出子でもありませんので、相続権がないのです。
ここが大きな落とし穴です。

A男さんとB女さんが婚姻届を出してきちんと結婚しているので、そのB女さんの子なら相続権があると思ってしまう方がほとんどです。
では、どうやってC太郎とD花子に財産を分配するのでしょうか…?

その方法として、
遺言書の中でC太郎とD花子に遺贈する旨を記載する
・A男がC太郎とD花子と養子縁組をする

こうすることで、C太郎とD花子にA男さんが亡くなったときに財産をお二人に分配することができます。
ちなみに、B女さんが亡くなったときには、C太郎とD花子には元々相続権があります。

(嫡出子の身分の取得)民法第809条
養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。


例2です
例えば、A男さんとB女さんが結婚しました。
A男さんもB女さんもどちらも再婚で、A男さんにはC太郎、B女さんにはD花子という連れ子様がいました。

月日が経ち…、A男さんが亡くなります。
このとき、A男さんの連れ子であるC太郎には相続権はありますが、先の例1と同じように、B女さんの連れ子には相続権がありません…。
C太郎とD花子はA男とB女をお互いに新たな親として認め、お互いに家庭を持ち、独立後も仲良く連絡を取り合っていたりしていたかもしれません。
それなのに、C太郎には相続権があって、D花子には相続権がないのは、あまりにも法律と現実が合っていません…。
これでは、争いの火種になってしまうのも無理はありません。

このような場合にもどうすればいいのでしょうか…?
やはり、このような場合にも遺言書の作成と養子縁組は有効な手段として活用できます。


予防策は早めに行っておきましょう
何事も、事が起きる前なら色々予防策を採ることができますが、事が起きてからですと、できることも限られてしまいますし、時間も費用も予防策に比べて多くかかってしまい、良いことはありません…。