公正証書遺言の作成までの流れ

こんにちは。
行政書士 葛飾江戸川総合法務事務所のアテンドキャラクタ―の細谷叶恵です。

公正証書遺言の作成までの流れはどのようなものでしょうか
実際に公正証書遺言を作成すると、どのような流れになるのでしょうか…?
作成にあたり、大きく分けて3つのステージ全部で18のステージを踏んでいきます。

たくさんあると思われる方が多いと存じますが、多くの方の利害関係を考慮して作成する遺言書なので、検討することや確認することも多くなります。
逆に言えば、これくらい考慮することで、皆様の遺言意思を「実現できる」遺言書が作成されます。
一緒に納得のいく遺言書を作成しましょう。



納得の相続を実現するには事実の把握が不可欠でございます
1 自分の法定相続人は誰かを確認しましょう
戸籍で確認いたします。
戸籍は、人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので、日本国民について編成され、日本国籍をも公証する唯一の制度でございます。
戸籍の収集には複雑ですと1ヶ月ほどかかる場合もございます。


2 どのような財産があるか調査しましょう
不動産は登記簿謄本、登記済権利証、毎年5月頃届く納税通知書から。
金融資産は預金通帳の写し、金融機関からのダイレクトメールから。
有価証券は、四半期に1度ほど証券会社から送られてくる運用報告書等。
その他、貸金庫に関する資料、確定申告書の写し、生命保険等
また、課税明細書は固定資産税を賦課するための書類でございます。

共有の場合には、原則として代表者の一人に送られ、全員に送られるわけではございません。
共有の不動産がある場合には、見落とさないように注意が必要でございます。
その上で、不動産については最寄りの法務局で登記事項証明書を取得します。 登記事項証明書とは、不動産の戸籍謄本のようなものでございます。


3 財産の一覧表を作りましょう
きちんと財産配分を検討するには、財産の一覧が掲載されている財産目録を作成する必要がございます。
この財産目録が5の相続税が課税されるのかの判断にも大きく役立ちます


どのような相続を実現したいか検討していきます
4 誰に何を渡したいか、まずは想いのままに検討しましょう
相続の概要を考えましょう。
細かいところは後で調整していきますので、ここでは大まかな方向性を決めることが大切です。
一番時間をかけてじっくり考えてもらいたいところ でございます。


5 相続税の問題の有無を確認しましょう
相続税がかかるのか、かからないのか、を判断します。
かかるなら、大体いくらなのかもこの時点で把握 いたします。


6 遺留分を侵害しないかを検討しましょう
相続したい内容が遺留分を侵害しないか検討いたします。
侵害する場合は、その理由を付記するなどをし、推定相続人への遺留分対策をいたします。


7 寄付候補先に受け入れ体制があるか確認しましょう
「遺贈する」と書いても、受遺者側に受け取る意思がなければ拒否されます。
他人の相続関係に巻き込まれたくない、とお考えの方もいらっしゃいます。
受遺者や寄付候補先に意思確認をいたします。


8 農地法など、諸法令上問題がないか検討しましょう
財産の中に田や畑といった農地がある場合、その土地は農地法の制約がかかり、渡す相手が制限されます。
子や配偶者といった法定相続人に渡す場合は「届出」で済みます。
相続人以外に特定遺贈しようとする場合には、その受遺者が農地法上の許可を受けなければなりません。


9 第二候補の受遺者を検討しましょう
不足の事態に備えて、各財産について第二順位以降の受遺者を検討しましょう。
財産を受け取る人が遺言者より先に亡くなると、原則記載されていた財産は「書かれていなかった」のと同じになります。

10 財産の内容に漏れがないか検討しましょう
行き先の決まっていない財産がないか確認しましょう。
細かな財産については、
「上記に記載のない財産は、すべて〇〇に相続(遺贈)させる」
などと入れて対策いたします。


11 内容を再検討しましょう
ここで1~10までの工程を再検討しましょう。
色々と検討してきた結果、当初の想いと大幅にずれてしまっていないか、 方向性の確認をします。


12 遺言執行者の検討をしましょう
財産を渡す相手が決まりましたら、遺言書の内容を実現してくれる遺言執行者を選任しましょう。
遺言執行者は指定されても、拒否する権利がございます。
後に断られることがないよう、執行候補者に事前に承諾を得ておきましょう。

また、遺言執行者が皆様より先にお亡くなりになってしまったり、病気になったりして遺言が執行できなくなる可能性もございます。
このような場合に備えて、遺言執行者についても第二順位まで指定しておくと安心でございます。

遺言執行者は弊所でも承ることができます


13 付言を検討しましょう
財産の行き先や執行者を決めたら、遺言書に記載する「想い」の内容を検討しましょう。
「想い」の部分は遺言書の最後に付言として記載いたします。
付言を記載しても、そこに法的効力はございません
そして、付言を記載しなくても遺言書の効力には何も影響はございません。
しかし…、残されたご家族や大切な方の立場で見れば、やはり遺言者の「想い」は大切でございます。
法的効力の有無に関わらず、遺言者の「想い」を汲んでくださる方は多くいらっしゃいます 。


公証役場での手続きを進めましょう
14 公証役場に遺言書の内容を伝え、必要書類を確認しましょう
13までが整ったら、公証役場に連絡をいたします。

自分の地域 公証役場

を入力して検索すれば、担当の公証役場が調べられます。


15 必要書類を準備しましょう
主な書類は下記の通りですが、遺言書の内容によっては異なる場合もございます。
必ず管轄の公証役場に確認 いたします。

・不動産の固定資産税課税明細書と全部事項証明書
・預貯金通帳や証書 ・有価証券の内容のわかるもの
・遺言者の印鑑登録証明書
・財産を渡す相手が親族の場合、遺言者と相手の関係のわかる戸籍謄本
・財産を渡す相手が他人の場合、その相手の住民票
・財産を渡す相手が法人の場合、その相手の登記事項証明書


16 2名の証人を検討しましょう
公正証書遺言で遺言書を作成するためには、当日同席する証人が必ず2名必要でございます。
証人には、

・未成年者
・遺言者の推定相続人や
・遺言書で財産を渡すと書いた相手
・そしてこれらの方の配偶者や直系血族

証人にはなれません

また、証人は遺言書の内容を知る人物となりますので、トラブル予防のためにも遺言書の内容を周りの方に話してしまう方は避けるべきでしょう。
思い当たる方がいない場合には、弊所からわたくしが証人になることもできますし、公証役場で紹介もしてくれます。
どちらも約1万円の有料です。
証人2名は公正証書遺言作成要件の一つの為、必ず必要でございます。
「秘密保持の為の必要費」
として弊所や公証役場の第三者の証人を選任される方もいらっしゃいます。


17 公証役場に日時を予約しましょう
16まで決まりましたら、準備は終了です。
公証役場に作成日時を決める予約の連絡をいたします。


18 公正証書遺言を完成させましょう
予約当日に公証役場へ行きます。
その場で遺言書が完成いたします。
作成すると、「正本」と「謄本」が交付されますので、大切に保管しましょう。