公正証書遺言の作成までの流れ
最終更新2022年10月4日
こんにちは。
行政書士葛飾江戸川総合法務事務所のアテンドキャラクタ―の細谷叶恵です。
公正証書遺言の作成までの流れはどのようなものでしょうか
実際に公正証書遺言を作成すると、どのような流れになるのでしょうか…?
作成にあたり、大きく分けて3つのステージ、全部で17のステージを踏んでいきます。
たくさんあると思われる方が多いと存じますが、多くの方の利害関係を考慮して作成する遺言書なので、検討することや確認することも当然多くなってしまいます。
逆に言えば…、これくらい考慮することで、皆様の遺言意思を「実現できる」遺言書が作成されます。
一緒に納得のいく遺言書を作成しましょう。
納得の相続を実現するには事実の把握が不可欠でございます
1 自分の法定相続人は誰かを確認しましょう
おばあちゃん、相続人が誰かというのは、戸籍で確認するよ。
戸籍は、人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので、日本国民について編成され、日本国籍をも公証する唯一の制度なの。
戸籍は人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもの…。
そして、日本国民について編成され、日本国籍をも公証する唯一の制度…、こう聞くと戸籍ってちょっとすごく感じるわね。
普段何気なく取得しているけど…。
そうなの。
戸籍が示す力は大きく、遺言書作成にも関わってくるよ。
遺言書作成には戸籍の収集が必要だけど、戸籍の収集には複雑ですと1ヶ月ほどかかる場合もあるの。
え…、そんなにかかる場合もあるのかい…?
大変じゃないか…。
そう…、おばあちゃん、気持ちはわかるけど、うん…、結構大変な場合もあるよ。
遺言者の出生まで戸籍を遡るから、お引越しで本籍の移転が多かった方や、法定相続人が遠方に住んでいらっしゃる場合はやっぱりこの戸籍の収集に時間がかかってしまうの…。
手続きを進めるにあたってスケジュール管理が大切ね。
まずは、このようにして大切な法定相続人を確認していくよ。
2 どのような財産があるか調査しましょう
次にどのような資産があるか確認していくよ。
不動産は登記簿謄本、登記済権利証、毎年5月頃届く課税明細書から。
金融資産は預金通帳の写し、金融機関からのダイレクトメールから。
有価証券は、四半期に1度ほど証券会社から送られてくる運用報告書等。
その他、貸金庫に関する資料、確定申告書の写し、生命保険等
また、課税明細書は固定資産税を賦課するための書類だよ。ん…?
課税明細書に同封されてきた納税通知書ってのはどうなんだい?
とても似ているけど、これにも土地や家の価格みたいのが書かれてあるよ?
おばあちゃん、大事なところに気が付いたね。
よく納税通知書の課税標準額を不動産の価格とお間違えになる方が多くいらっしゃるの。
不動産の価格を知ることができるのは課税明細書に記載されている価格になるから注意しないとね。
知り合いの方に不動産を共有で持っている家庭もあるけど、そういうところにもこの納税通知書や課税明細書は送られてくるのかい?
共有の場合には、原則として代表者の一人に送られ、全員に送られるわけではないの。
ということは…、代表者以外の方には納税通知書や課税明細書は送られない、ということになるよ。
共有の不動産がある場合には、見落とさないように注意が必要よ。
その上で…、不動産については最寄りの法務局で登記事項証明書を取得するの。
なるほど…、そこで登記事項証明書が出てくるんだね。
確か…取得するには法務局で、窓口だと600円の収入印紙を貼るんだっけかな…。
その登記事項証明書には共有の持ち分が分数で表示されているんだよね?
その通り。
おばあちゃん、良く知ってるね。
登記事項証明書には不動産のあらゆる情報が載っているよ。
そこに記載されている数値などの情報は、様々な書類の作成の時に使うの。
もちろん…、遺言書作成にも必要よ。
3 財産の一覧表を作りましょう
きちんと財産配分を検討するには、財産の一覧が掲載されている財産目録を作成する必要があるの。
この財産目録を作成し、相続税が課税されるのかされないのか、その判断の大きな目安になるよ。
相続税…、払いたく…ない…。
そう…だね…。
相続税がかかるか…、かからないか…、大事なところだね。
3,000万円+法定相続人の人数×600万円の基礎控除額を超えるような…、世間の家庭で約8%の方しか相続税はかからないと言われているけど、ある程度はっきりしておかないと…、不安だよね。
おばあちゃん、相続税を払いたくない気持ちはわかるけど…。
そうね…。
相続税がかかるのか、かからないのか、確認しておくことは大切ね。
ここで相続財産の全体価格が分かるから、もし、相続税がかかるようなら、いくら相続税がかかるのか、大体いくらなのか…その計算も行っておくと、良いと思うよ。
どのような相続を実現したいか検討していきます
4 誰に何を渡したいか、まずは想いのままに検討しましょう
ここまでで相続財産の全体像を掴んだね。
ここからは、相続の概要を考えましょ。
細かいところは後で調整していくから、まず、大まかな方向性を決めることが大切。
一番時間をかけてじっくり考えてね?
まずは…、誰にどれくらい相続させたいのか…、孫とか法定相続人にも相続させるのか…、そういうことを決めておけばいいんだね。
5 遺留分を侵害しないかを検討しましょう
相続したい内容が遺留分を侵害しないか検討するよ。
ここはとても大切なの。
この遺留分の侵害があるとトラブルの発展にも繋がるから…。
侵害する場合は、その理由を付言で示すなどをし、推定相続人への遺留分対策をしないとね。
そうだね…。
遺留分はあまりよくわかっていないけど、この遺留分を侵害するほど配分が偏るのはトラブルのもとになってしまうということだね。
6 寄付候補先に受け入れ体制があるか確認しましょう
「遺贈する」と書いても、受遺者側に受け取る意思がなければ拒否されるのは知ってる?
え…?
寄付候補先が受け取らない、ということがあるのかい…?
うん。
他人の相続関係に巻き込まれたくない…、とお考えの方もいらっしゃるの。
ということで、受遺者や寄付候補先に意思確認をしないといけないよ。
7 農地法など、諸法令上問題がないか検討しましょう
財産の中に田や畑といった農地がある場合、その土地は農地法の制約がかかり、渡す相手が制限されるよ。
子や配偶者といった法定相続人に渡す場合は「届出」で済むよ。
相続人以外に特定遺贈しようとする場合には、その受遺者が農地法上の許可を受けなければならないの。
葛飾区東水元もまだ畑は結構残っているけど、40年前は畑だらけだったよ(笑)。
いまはマンションに変わってしまったものも多いけど、その農地を相続人以外に遺贈する場合は農地法上の許可を受けないといけないんだね…。
色々複雑だね…。
8 第二候補の受遺者を検討しましょう
不足の事態に備えて、各財産について第二順位以降の受遺者を検討するよ。
財産を受け取る人が遺言者より先に亡くなると、原則記載されていた財産は「書かれていなかった」のと同じになってしまうの。
た、確かに…。
遺言を残す人よりも受け取る人が事故などで先に亡くなる可能性は0ではないよね…。
そっか…。
遺言書はそういう万が一のことまで記載しないといけないんだね。
9 財産の内容に漏れがないか検討しましょう
行き先の決まっていない財産がないか確認しましょ。
細かな財産については、
「上記に記載のない財産は、すべて〇〇に相続(遺贈)させる」
などと入れて対策をするよ。
うん、そうだね。
細かい財産の行く先も決めないといけないんだね。
現金、預金、家、土地、以外にも色々あるけど、それもきちんと記載しておけば、残された家族も考えなくて済むね。
10 内容を再検討しましょう
ここで1~10までの工程を再検討しましょ。
色々と検討してきた結果、当初の想いと大幅にずれてしまっていないか、 方向性の確認をするの。
うん。
何事も確認は必要だよね…。
ましてや、自分の残された財産を残された家族に争いが起きないように分けるのだから、よく確認しながら進めていかないとね。
11 遺言執行者の検討をしましょう
財産を渡す相手が決まったら、遺言書の内容を実現してくれる遺言執行者を選任するよ。
遺言執行者は指定されても、拒否する権利があるの。
拒否する方はあまりいないと思うけど…、後に断られることがないよう、念のため執行候補者に事前に承諾を得ておいた方がいいわね。
なるほど…。
遺言執行者ねぇ…、普通は誰に頼むのがいいんだい…?
大体、遺言書の作成を依頼する先生方を選任する場合が多いと思う。
また、遺言執行者も皆様より先にお亡くなりになってしまったり、病気になったりして遺言が執行できなくなる可能性もある、よね。
だから、このような場合に備えて、遺言執行者についても第二順位まで指定しておくと安心だよ。
遺言執行者は行政書士葛飾江戸川総合法務事務所でも承ることができるよ。
12 付言を検討しましょう
財産の行き先や執行者を決めたら、遺言書に記載する「気持ち」を入れるよ。
・なぜこの遺言書を作ったのか
・どうしてこのような財産配分にしたのか
・残された方にどうしてほしいのか
・自分の人生はどうだったか
といったことを盛り込んでいくとまとまりやすいと思うよ。
ふむふむ…。
確かにこの財産を誰々…、あの財産を誰々…、だけの遺言書だと味気ない遺言書になるね。
この付言には法的な拘束力はあるのかい…?
ううん、ないの。
付言を記載しても、そこに法的効力はないの。
そして、付言を記載しなくても遺言書の効力には何も影響はないの。
けど…、法的効力の有無に関わらず、遺言者の「気持ち」を汲んでくださる方は多くいらっしゃる。
是非付言は検討しようね。
公証役場での手続きを進めましょう
13 公証役場に遺言書の内容を伝え、必要書類を確認しましょう
12までが整ったら、公証役場に連絡をするよ。
自分の地域(葛飾区や江戸川区など) 公証役場
を入力して検索すれば、担当の公証役場が調べられるよ。
そうだ…。
公正証書遺言は行政書士が作成するのではなくて、公証役場の公証人が作成するんだったね…。
となると、公証役場に行かないといけないんだね。
14 必要書類を準備しましょう
主な書類は下記の通りだけど、遺言書の内容によっては異なる場合もあるよ。
必ず管轄の公証役場に確認するよ。
・不動産の固定資産税課税明細書と全部事項証明書
・預貯金通帳や証書 ・有価証券の内容のわかるもの
・遺言者の印鑑登録証明書
・財産を渡す相手が親族の場合、遺言者と相手の関係のわかる戸籍謄本
・財産を渡す相手が他人の場合、その相手の住民票
・財産を渡す相手が法人の場合、その相手の登記事項証明書
ふんふん…。
持ち物確認は何事も基本だね。
あとで、
「これが足りません…」
が一番困るもんね。
15 2名の証人を検討しましょう
公正証書遺言で遺言書を作成するためには、当日同席する証人が必ず2名必要なの。
証人には、
・未成年者
・遺言者の推定相続人や
・遺言書で財産を渡すと書いた相手
・そしてこれらの方の配偶者や直系血族
は証人にはなれないよ。
ん…?
誰でも証人になれる、ってわけではないんだね…?
未成年や親族関係は無理ってことだね…?
うん、その通り。
また、証人は遺言書の内容を知る人物となるから、トラブル予防のためにも遺言書の内容を周りの方に話してしまう方は避けるべき、だね。
思い当たる方がいない場合には、行政書士葛飾江戸川総合法務事務所の糠信が証人になることもできるし、公証役場で紹介もしてくれるよ。
どちらも約1万円の有料。
証人2名は公正証書遺言作成要件の一つの為、必ず必要なの。
「秘密保持の為の必要費」として遺言書作成を頼んだ先生や公証役場の第三者の証人を選任される方もいらっしゃるよ。
16 公証役場に日時を予約しましょう
15まで決まりましたら、準備は終了だよ。
公証役場に作成日時を決める予約の連絡をしましょ。
いよいよ作成になるんだね。
ここまで結構時間がかかったね。
でも、時間をかけることでしっかりとした遺言書が作れるから、時間をかけることは悪いことではないね。
17 公正証書遺言を完成させましょう
予約当日に公証役場へ行くよ。
その場で遺言書が完成するの。
作成すると、「正本」と「謄本」が交付されますので、大切に保管しようね。
その日にその場で作成が完了するんだね。
で…、最後に「正本」と「謄本」の交付を受けて終わりなんだね。
ここまで時間がかかったけど、無事に作成できてよかったよ。
これとりあえず一安心だね。
もう一回公正証書遺言を作ることはないと思うけど、流れが良くわかったよ。
こんにちは。
行政書士葛飾江戸川総合法務事務所のアテンドキャラクタ―の細谷叶恵です。
公正証書遺言の作成までの流れはどのようなものでしょうか
実際に公正証書遺言を作成すると、どのような流れになるのでしょうか…?
作成にあたり、大きく分けて3つのステージ、全部で17のステージを踏んでいきます。
たくさんあると思われる方が多いと存じますが、多くの方の利害関係を考慮して作成する遺言書なので、検討することや確認することも当然多くなってしまいます。
逆に言えば…、これくらい考慮することで、皆様の遺言意思を「実現できる」遺言書が作成されます。
一緒に納得のいく遺言書を作成しましょう。
納得の相続を実現するには事実の把握が不可欠でございます
1 自分の法定相続人は誰かを確認しましょう
おばあちゃん、相続人が誰かというのは、戸籍で確認するよ。
戸籍は、人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので、日本国民について編成され、日本国籍をも公証する唯一の制度なの。
戸籍は人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもの…。
そして、日本国民について編成され、日本国籍をも公証する唯一の制度…、こう聞くと戸籍ってちょっとすごく感じるわね。
普段何気なく取得しているけど…。
そうなの。
戸籍が示す力は大きく、遺言書作成にも関わってくるよ。
遺言書作成には戸籍の収集が必要だけど、戸籍の収集には複雑ですと1ヶ月ほどかかる場合もあるの。
え…、そんなにかかる場合もあるのかい…?
大変じゃないか…。
そう…、おばあちゃん、気持ちはわかるけど、うん…、結構大変な場合もあるよ。
遺言者の出生まで戸籍を遡るから、お引越しで本籍の移転が多かった方や、法定相続人が遠方に住んでいらっしゃる場合はやっぱりこの戸籍の収集に時間がかかってしまうの…。
手続きを進めるにあたってスケジュール管理が大切ね。
まずは、このようにして大切な法定相続人を確認していくよ。
2 どのような財産があるか調査しましょう
次にどのような資産があるか確認していくよ。
不動産は登記簿謄本、登記済権利証、毎年5月頃届く課税明細書から。
金融資産は預金通帳の写し、金融機関からのダイレクトメールから。
有価証券は、四半期に1度ほど証券会社から送られてくる運用報告書等。
その他、貸金庫に関する資料、確定申告書の写し、生命保険等
また、課税明細書は固定資産税を賦課するための書類だよ。ん…?
課税明細書に同封されてきた納税通知書ってのはどうなんだい?
とても似ているけど、これにも土地や家の価格みたいのが書かれてあるよ?
おばあちゃん、大事なところに気が付いたね。
よく納税通知書の課税標準額を不動産の価格とお間違えになる方が多くいらっしゃるの。
不動産の価格を知ることができるのは課税明細書に記載されている価格になるから注意しないとね。
知り合いの方に不動産を共有で持っている家庭もあるけど、そういうところにもこの納税通知書や課税明細書は送られてくるのかい?
共有の場合には、原則として代表者の一人に送られ、全員に送られるわけではないの。
ということは…、代表者以外の方には納税通知書や課税明細書は送られない、ということになるよ。
共有の不動産がある場合には、見落とさないように注意が必要よ。
その上で…、不動産については最寄りの法務局で登記事項証明書を取得するの。
なるほど…、そこで登記事項証明書が出てくるんだね。
確か…取得するには法務局で、窓口だと600円の収入印紙を貼るんだっけかな…。
その登記事項証明書には共有の持ち分が分数で表示されているんだよね?
その通り。
おばあちゃん、良く知ってるね。
登記事項証明書には不動産のあらゆる情報が載っているよ。
そこに記載されている数値などの情報は、様々な書類の作成の時に使うの。
もちろん…、遺言書作成にも必要よ。
3 財産の一覧表を作りましょう
きちんと財産配分を検討するには、財産の一覧が掲載されている財産目録を作成する必要があるの。
この財産目録を作成し、相続税が課税されるのかされないのか、その判断の大きな目安になるよ。
相続税…、払いたく…ない…。
そう…だね…。
相続税がかかるか…、かからないか…、大事なところだね。
3,000万円+法定相続人の人数×600万円の基礎控除額を超えるような…、世間の家庭で約8%の方しか相続税はかからないと言われているけど、ある程度はっきりしておかないと…、不安だよね。
おばあちゃん、相続税を払いたくない気持ちはわかるけど…。
そうね…。
相続税がかかるのか、かからないのか、確認しておくことは大切ね。
ここで相続財産の全体価格が分かるから、もし、相続税がかかるようなら、いくら相続税がかかるのか、大体いくらなのか…その計算も行っておくと、良いと思うよ。
どのような相続を実現したいか検討していきます
4 誰に何を渡したいか、まずは想いのままに検討しましょう
ここまでで相続財産の全体像を掴んだね。
ここからは、相続の概要を考えましょ。
細かいところは後で調整していくから、まず、大まかな方向性を決めることが大切。
一番時間をかけてじっくり考えてね?
まずは…、誰にどれくらい相続させたいのか…、孫とか法定相続人にも相続させるのか…、そういうことを決めておけばいいんだね。
5 遺留分を侵害しないかを検討しましょう
相続したい内容が遺留分を侵害しないか検討するよ。
ここはとても大切なの。
この遺留分の侵害があるとトラブルの発展にも繋がるから…。
侵害する場合は、その理由を付言で示すなどをし、推定相続人への遺留分対策をしないとね。
そうだね…。
遺留分はあまりよくわかっていないけど、この遺留分を侵害するほど配分が偏るのはトラブルのもとになってしまうということだね。
6 寄付候補先に受け入れ体制があるか確認しましょう
「遺贈する」と書いても、受遺者側に受け取る意思がなければ拒否されるのは知ってる?
え…?
寄付候補先が受け取らない、ということがあるのかい…?
うん。
他人の相続関係に巻き込まれたくない…、とお考えの方もいらっしゃるの。
ということで、受遺者や寄付候補先に意思確認をしないといけないよ。
7 農地法など、諸法令上問題がないか検討しましょう
財産の中に田や畑といった農地がある場合、その土地は農地法の制約がかかり、渡す相手が制限されるよ。
子や配偶者といった法定相続人に渡す場合は「届出」で済むよ。
相続人以外に特定遺贈しようとする場合には、その受遺者が農地法上の許可を受けなければならないの。
葛飾区東水元もまだ畑は結構残っているけど、40年前は畑だらけだったよ(笑)。
いまはマンションに変わってしまったものも多いけど、その農地を相続人以外に遺贈する場合は農地法上の許可を受けないといけないんだね…。
色々複雑だね…。
8 第二候補の受遺者を検討しましょう
不足の事態に備えて、各財産について第二順位以降の受遺者を検討するよ。
財産を受け取る人が遺言者より先に亡くなると、原則記載されていた財産は「書かれていなかった」のと同じになってしまうの。
た、確かに…。
遺言を残す人よりも受け取る人が事故などで先に亡くなる可能性は0ではないよね…。
そっか…。
遺言書はそういう万が一のことまで記載しないといけないんだね。
9 財産の内容に漏れがないか検討しましょう
行き先の決まっていない財産がないか確認しましょ。
細かな財産については、
「上記に記載のない財産は、すべて〇〇に相続(遺贈)させる」
などと入れて対策をするよ。
うん、そうだね。
細かい財産の行く先も決めないといけないんだね。
現金、預金、家、土地、以外にも色々あるけど、それもきちんと記載しておけば、残された家族も考えなくて済むね。
10 内容を再検討しましょう
ここで1~10までの工程を再検討しましょ。
色々と検討してきた結果、当初の想いと大幅にずれてしまっていないか、 方向性の確認をするの。
うん。
何事も確認は必要だよね…。
ましてや、自分の残された財産を残された家族に争いが起きないように分けるのだから、よく確認しながら進めていかないとね。
11 遺言執行者の検討をしましょう
財産を渡す相手が決まったら、遺言書の内容を実現してくれる遺言執行者を選任するよ。
遺言執行者は指定されても、拒否する権利があるの。
拒否する方はあまりいないと思うけど…、後に断られることがないよう、念のため執行候補者に事前に承諾を得ておいた方がいいわね。
なるほど…。
遺言執行者ねぇ…、普通は誰に頼むのがいいんだい…?
大体、遺言書の作成を依頼する先生方を選任する場合が多いと思う。
また、遺言執行者も皆様より先にお亡くなりになってしまったり、病気になったりして遺言が執行できなくなる可能性もある、よね。
だから、このような場合に備えて、遺言執行者についても第二順位まで指定しておくと安心だよ。
遺言執行者は行政書士葛飾江戸川総合法務事務所でも承ることができるよ。
12 付言を検討しましょう
財産の行き先や執行者を決めたら、遺言書に記載する「気持ち」を入れるよ。
・なぜこの遺言書を作ったのか
・どうしてこのような財産配分にしたのか
・残された方にどうしてほしいのか
・自分の人生はどうだったか
といったことを盛り込んでいくとまとまりやすいと思うよ。
ふむふむ…。
確かにこの財産を誰々…、あの財産を誰々…、だけの遺言書だと味気ない遺言書になるね。
この付言には法的な拘束力はあるのかい…?
ううん、ないの。
付言を記載しても、そこに法的効力はないの。
そして、付言を記載しなくても遺言書の効力には何も影響はないの。
けど…、法的効力の有無に関わらず、遺言者の「気持ち」を汲んでくださる方は多くいらっしゃる。
是非付言は検討しようね。
公証役場での手続きを進めましょう
13 公証役場に遺言書の内容を伝え、必要書類を確認しましょう
12までが整ったら、公証役場に連絡をするよ。
自分の地域(葛飾区や江戸川区など) 公証役場
を入力して検索すれば、担当の公証役場が調べられるよ。
そうだ…。
公正証書遺言は行政書士が作成するのではなくて、公証役場の公証人が作成するんだったね…。
となると、公証役場に行かないといけないんだね。
14 必要書類を準備しましょう
主な書類は下記の通りだけど、遺言書の内容によっては異なる場合もあるよ。
必ず管轄の公証役場に確認するよ。
・不動産の固定資産税課税明細書と全部事項証明書
・預貯金通帳や証書 ・有価証券の内容のわかるもの
・遺言者の印鑑登録証明書
・財産を渡す相手が親族の場合、遺言者と相手の関係のわかる戸籍謄本
・財産を渡す相手が他人の場合、その相手の住民票
・財産を渡す相手が法人の場合、その相手の登記事項証明書
ふんふん…。
持ち物確認は何事も基本だね。
あとで、
「これが足りません…」
が一番困るもんね。
15 2名の証人を検討しましょう
公正証書遺言で遺言書を作成するためには、当日同席する証人が必ず2名必要なの。
証人には、
・未成年者
・遺言者の推定相続人や
・遺言書で財産を渡すと書いた相手
・そしてこれらの方の配偶者や直系血族
は証人にはなれないよ。
ん…?
誰でも証人になれる、ってわけではないんだね…?
未成年や親族関係は無理ってことだね…?
うん、その通り。
また、証人は遺言書の内容を知る人物となるから、トラブル予防のためにも遺言書の内容を周りの方に話してしまう方は避けるべき、だね。
思い当たる方がいない場合には、行政書士葛飾江戸川総合法務事務所の糠信が証人になることもできるし、公証役場で紹介もしてくれるよ。
どちらも約1万円の有料。
証人2名は公正証書遺言作成要件の一つの為、必ず必要なの。
「秘密保持の為の必要費」として遺言書作成を頼んだ先生や公証役場の第三者の証人を選任される方もいらっしゃるよ。
16 公証役場に日時を予約しましょう
15まで決まりましたら、準備は終了だよ。
公証役場に作成日時を決める予約の連絡をしましょ。
いよいよ作成になるんだね。
ここまで結構時間がかかったね。
でも、時間をかけることでしっかりとした遺言書が作れるから、時間をかけることは悪いことではないね。
17 公正証書遺言を完成させましょう
予約当日に公証役場へ行くよ。
その場で遺言書が完成するの。
作成すると、「正本」と「謄本」が交付されますので、大切に保管しようね。
その日にその場で作成が完了するんだね。
で…、最後に「正本」と「謄本」の交付を受けて終わりなんだね。
ここまで時間がかかったけど、無事に作成できてよかったよ。
これとりあえず一安心だね。
もう一回公正証書遺言を作ることはないと思うけど、流れが良くわかったよ。
公正証書遺言作成費用はいくら…? こちらを押してください
弊所への報酬金は110,000円(税込み)を想定しますが、総費用は概算で170,000円かかります。
理由は以下の公証役場での必要費がかかるからです。
決して安くない金額になると思います。
「こんなに高いなら作らないや」という意見と
「自分の財産の行く末は自分で決めたいし、トラブル防止の必要費」という意見
に分かれると思います。
公証役場での必要費
・証人2名分の1万円(1名分は無料でわたくしで構いません。もう一人で10,000円でございます。)
・公証人手数料を50,000円(例としての50,000円です。この金額は相続人の人数や相続財産額により変動します)
公証人の手数料は公証人手数料のページをご参照下さいませ