検認の注意点です

 



注意点
検認を受ける前に開封しないようにしましょう
公正証書遺言以外の遺言書を発見しましたら、そのままの状態で検認を受けなければなりません。
封がされているものは開けずに持っていく必要がございます。
発見したとき…、

「あ…、遺言書だ。
中身は何て書いてあるんだろう。
ちょっとだけ確認してみよう。」

という心理がきっと働きます。
うっかり開封しないよう、本当にご注意ください!

うっかり開封してしまっても、検認は受けなければなりません。
万が一、検認前に開封してしまうと、前述しましたが、5万円の過料に処されてしまいます(民法第1005条)。
うっかり開封して、払いたくない過料を支払った場合でも…、その遺言書が無効となるわけではございません。
そこはご安心ください。

尚、封印とは、封に押印されていたり、証紙が貼られているもののことを指します。
単に糊付けされているだけでは、封印にはなりません


検認を受けずに遺言を執行しないようにしましょう
実際に遺言に従って遺産の分配をすることを「遺言の執行」といいますが、遺言書の検認を受けずに遺言を執行してはいけません。
検認されていない遺言書を持って行っても、「検認済証明書」がございませんので、銀行員や登記官は手続きをしてくれません。

仮に、検認を受けずに遺言を執行した場合も、5万円以下の過料に処されてしまいます(民法第1005条)


遺言書の偽造・隠匿をしないようにしましょう
遺言書を偽造・隠匿・廃棄する行為は禁物です。
これらの行為をすると、「相続欠格者」として扱われ、相続権がなくなってしまいます(民法第891条第5号)。
公正証書遺言以外の遺言書を発見したら、そのまま裁判所に持って行きましょう。


相続を知られたくない方がいらっしゃる場合は要注意です!
検認手続きをすると、相続人全員に通知が行く旨を先ほどお話しました。
相続人の中で、絶対金銭問題で揉めるトラブルメーカーがいらっしゃる場合…、この方にも検認の通知が届くことになり、遺産の分割がこれから行われていくことがわかってしまいます。
きっと絡んでくるでしょう…。

故人も、絶対そのトラブルメーカーの相続人に相続をさせたくないだけでなく、相続を知られたくない場合は、検認手続きがある自筆証書遺言と秘密証書遺言はお勧めできません…。

公正証書遺言でしたら、検認が不要ですので、秘密裏に相続を終わらせることができます。
ですが…、いつか故人が亡くなっていることを後々そのトラブルメーカーが知った場合…、秘密にされていたことを本当に恨むことにもなります。
遺留分減殺請求をしてくるのであれば…、最低限の配分量は持って行かれることも考慮する必要が出てきます。

このような方が身内にいらっしゃっても、筋を通して知らせた方がいいのか…、家族問題は本当に法律だけ解決できるほど単純ではないことが思い知らされます…。