内容証明郵便を利用すべきとき


内容証明郵便はどのような時に利用するか
このページでは内容証明を利用すべき場合、すべきでない場合を紹介いたします。

【内容証明を利用すべき場合】
債権譲渡を債務者に通知するとき(以下に例を掲載
契約を解除するとき(以下に例を掲載
期限の利益を喪失させるとき
時効を中断させるとき
クーリングオフをするとき
訴訟の提起を考えているとき(但し、弊所に内容証明郵便を依頼なさる場合の注意点ページを一度ご参照ください)

【内容証明を利用すべきでない場合】
訴訟に持ち込みたくないとき
相手に誠意があるとき
当方に非があるとき
今後も親しく付き合いたいとき
相手方が倒産しそうなとき
相手方が財産隠しを行いそうなとき


債権譲渡を債務者に通知するとき、の例

債権を譲渡する際には、原則として、債務者に対し通知を送るか、債務者の承諾を得る必要がございます(民法第467条)。
民法第467条内に、確定日付のある証書、という文言がございますが、この確定日付のある証書とは、公証役場で日付のある印章を押してもらった証書なども該当いたしますが、一般的には内容証明郵便を意味いたします。
そのため、債権譲渡通知を行う場合には、一般的に内容証明で行うこととされております。
また、債券譲渡通知では、その通知の到達した日が、債権の帰属の優劣を決める重要な役割を果たすことになります。
配達日の証明という意味においても、債権譲渡通知を行う場合には、内容証明を利用すべきでございます。

契約を解除するとき、の例
当事者間の契約を解除するときには、通常は内容証明が用いられます
これは、契約の解除が重要な法的効果を果たすこと、契約の解除の効果を巡り紛争に発展する可能性が高いことを理由としております。

具体例として、賃貸借契約を解除する場合を紹介いたします。
家賃を滞納している賃借人に対して、憤慨した大家が
「滞納家賃を1週間以内に支払え、支払わなければ契約を解除する。」
という内容の通知を普通郵便によって送ったとします。
しかし、賃借人は何の返答もせず、相変わらず家賃滞納を続けたため、大家は堪忍袋の緒を切らしました。
「この賃貸借契約は、既に送ってある通知によって解除されている。」
と伝えても、賃借人が
そんな通知は受け取った覚えはありません。
今初めて見ました。」
反論してくることが予想されます。
この場合には大家が、賃借人が解除通知書受け取った事実を立証しなければなりません。
しかし、通知書を普通郵便で送っていた場合、賃借人に
「受け取っていない」
と反論されてしまうと、大家の側で、
「賃借人は通知を受け取っている」
ということを立証するのは、極めて困難でございます。

これが、内容証明によって解除通知がなされていたならば、
「そのような通知は受け取ったことがありません。」
と反論してきても、大家の手元にある内容証明郵便と郵便物等配達証明書により、簡単に賃借人が反論している内容が嘘であることを証明することができます。
もし…、内容証明郵便を利用し、記録を証拠化しておけば、後に訴訟に発展した場合にも有利な状況で争えますし、賃借人も不利な状況では訴訟で争おうとは思いにくくなるでしょう。
内容証明郵便は、このようにリスク回避に役立つ方法の一つとなりえます