特定技能の2019年の現状
こんにちは。
行政書士 葛飾江戸川総合法務事務所のアテンドキャラクタ―の細谷叶恵です。
こちらでは特定技能の現状(2019)年についてお伝えします。
特定技能制度の2019年度の結果
1年間の成果人数
出入国管理庁が、5月29日に「特定技能」の在留資格で就労する外国人が、2020年3月末時点で、3987人であると発表しました。
この数字…、はたして多いのでしょうか…? 少ないのでしょうか?
これは、実は当初予定してた人数の1割にも満たない数字なのです…。
大きな声では言えませんが、ちょっと少なすぎますよね…。
その3,987人の人数の内訳として、3年間の技能実習を修了すれば試験を受けないで特定技能の在留資格へ移行できますが、その技能実習生からの移行してきた方が、全体の91.9%を占めたようです。
数字が伸びなかった理由
では、どうして取得数が伸び悩んでしまったのでしょうか…。
その理由としては、以下の2点になります。
・送り出し国との法整備や試験実施及び登録支援機関などの整備に時間がかかった
・2020年前半から新型コロナウイルスの影響を大きく受けた
人手不足になった業界
国内外での試験の実施が不可能になり、東京オリンピックの延期により人手不足となってしまった業界が出てきています。
それは、関連するインバウンド業界、宿泊や外食業界も大きな影響を受けました。
新型コロナウイルスの影響は計り知れません…。
また、農業・漁業・建設業では、入国制限により大きな影響が出ています。
予定していた技能実習生が日本に来られなくなり、やはりこれらの業界でも人手不足となりました。
介護分野での人材不足も慢性的に続いているようです。
外国人ドライバーを「特定技能」の対象にする必要性
そんな中、経済回復のための物流機能の維持のため、経済同友会は6月10日に出した提言の中で、
「経済回復の下支えに重要な物流機能を維持していくために、現在直面する問題を解決するための物流改革が必要」
と唱え、またその中で、外国人のドライバーを「特定技能」の対象として認め、必要な教育項目を策定することの必要性を指摘しています。
「特定技能」にコンビニエンスストアを追加する動き
さらに、自民党の外国人労働者等特別委員会でも、外国人労働者の受け入れに関する提言の中で、「特定技能」対象業種にコンビニエンスストアを追加するよう求める動きがあり、これは、政府が7月に策定する経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込むよう求める予定とのことです。
まとめ
「特定技能」の導入から1年、今後の取得数等は、引き続きコロナ禍による入国制限や対象となる業界の業績などの影響を大きく受けることが予想されますが、対象業種拡大の検討も含めて、制度の定着と円滑な運用が急がれます。
参考:http://ifsa.jp/index.php?kougaku-shimbun202007ii21 『向学新聞2020年7月号』(国際留学生協会)