遺言書はどうして必要か(その2)

こんにちは。
行政書士 葛飾江戸川総合法務事務所のアテンドキャラクタ―の細谷叶恵です。


遺言書は大切なものです
皆様は遺言書についてどのようにお考えでしょうか?

「その内作ればいいかな」
「私には財産はほとんどないから関係ないかな」
とお考えの方もいらっしゃると思います。
遺言書はもしかしたら、皆様が思っている以上に大切なものかもしれません。
どうして遺言書が必要なのか…、遺言書を用意しないとどうなってしまうのか…、を残されたご家族の人間関係や感情から生じるリスクの視点から紹介させて頂きます。


遺言書がないと…
まず、遺言書がないと…、財産は民法の規定通りに法定相続人に相続されてしまいます
そしてその配分量にも民法に記載がございます。
この配分量…、数字的には一見平等にも見えるのですが、実際は各家庭では人間関係がそれぞれ大きく異なってまいりますね
関係が良好なご家族もいらっしゃいますが、あまり仲が良くなかったり…、核家族化が進んでいてる背景から、遠方の住んでいて音信不通状態になっていたりする家庭も結構いらっしゃると考えられませんか?
遠方の方は原則全員参加の遺産分割協議に参加することが大変ですし、仲があまり良くなければ、遺産分割協議をまとめるのも大変です…。

遺言書がなければ、残されたご家族が財産の配分を決めなければいけなくなり、この人間関係や感情が大きく関わってまいります


遺言書がなかった場合の例を紹介いたします
例えば…、生前、体を不自由にしていた故人と同じ家に住んでいて、何年も身を粉にして世話をしてきたお嬢様がいらっしゃるとします。
傍らで、遠方に住んでいることから、故人とは正月に顔を合わせる程度で、好きに生活をしてきたご子息様もいらっしゃるとします。
上記のような方々が法定相続人となった場合、
お嬢様「親をずっと世話をしてきて、何年も自分の時間を持てなかった。本当に辛かった。苦労してきたのはいつも私なんだから、ほとんどをもらって当然でしょ」
ご子息様「遠くに住んでいたのは仕方がないだろ。俺も家族なんだから相応の分をもらって当然だ。」
と、主張するかもしれません。


遺言書がない場合の手続きはこのように進められます
法定相続の場合は、原則は法定相続人全員集まって、それぞれの財産配分を決める遺産分割協議を必ず行わなければいけません
ですが、このように法定相続人同士で考えが異なってしまうと、遺産分割協議はまとまらず、調停や裁判などの相続争いに発展してしまうリスクが発生します。
上記の例は考えが異なってしまった場合です。
こんな悲しいことが起こってしまうのは、故人が望むべくもありません…。
そして、遺産分割協議の内容をまとめた遺産分割協議書は、法定相続人全員の実印が必要です。


もし、遺産分割協議で相続人同士で納得がいかないと…
遺産分割協議で納得のいかない内容では…、その相続人の方はおそらく、実印は押さないですよね…
金融機関では相続人がどなたかわかるよう、戸籍の提出を求めているため、どなたが相続人かわかります。
そこで相続人全員の実印が押された遺産分割協議書でないと、相続手続きを受け付けてもらえません…。

それだけでなく、遺産分割協議に納得のいかない相続人は、調停や裁判に持ち込み、相続分を勝ち取ろうと考えるかもしれません…。
そうなってしまうと、元々は近しい間柄の相続人のお金と時間が調停や裁判の手続きで大きく浪費されてしまい…、とても悲しいことになります。
民法による法定相続はここが落とし穴であり、人間の感情が考慮されていません…。
残されたご家族の状況やお気持ちが検討された、きちんとした遺言書がないと、残されたご家族は財産の配分を自分達で決めなければなりません…


もし遺言書があればどうなるのでしょうか…?
もし遺言書があれば、故人(例えば父が)が、
「Aはこれだけ、Bはこれだけ」
と配分を指定するので、残されたご家族は自分達で財産の配分を考える必要もなく
「親父がそう言っているなら…」
と納得しやすくなります。
遺言書がトラブル予防につながる理由はここにあり、遺言書がどうして必要なのか、という回答にも繋がってくると思います。

遺言書の早期作成をお勧めいたします
最後に、現実論として、私も含めて人生いつどこで突然病気になったり、事故にあったりするかわかりません…。
遺言書は皆様が元気なうちは何度でも作り直しができます。
月日が経ち…、相続内容を変更したいと思うようなことがあったら、また作成し直すことも可能でございます。
遺言書の早期作成が、万が一のリスク回避としてとても役立ちます。

是非一度遺言書についてご検討してみてはいかがでしょうか?
弊所では、皆様のご不安を一つ一つ解消していくお手伝いをさせて頂きたいと思っています。